原罪の灯

ここに証そう お前の名を ご覧 あれが生命なる灯

否認メカニズム

まだ11月ですが、もう、今年の漢字を決めてしまおうと思います。

これで終わり、にするために。

残された1ヶ月、これ以上悲惨なことが起きないよう、願いを込めて。

 

今年の漢字は、「崩」。

愛していたものや、信じていたものが見事に崩れ去り。

身近でも、遠くでも、大好きだった人を失い。

 

言わんとしていることは、私を知っている人なら分かると思うので、個人的なことだけ。

 

個人的な崩壊は、絶対だった家族神話の崩壊です。

本当は、今年壊れたわけではなくて、とっくに壊れていたのを見て見ぬフリをしていただけですが、現実的に壊れたのが、今年でした。

 

私が壊したように見えて、内側からも外側からも、瓦解していた。

精神的ブルドーザー。

雪かき作業の、逆みたいな。

 

でも、もうそれも遠い昔の話な気がしています。

全て終わったこと。

不可逆的な。

 

精神的にピリオドを打った人生を、物理的に生きているのは、気楽なものです。

だって、もう終わっているのだから。

これから起こるかもしれない出来事なんて、名前も知らない人に書かれた、後書きみたいなもので、そんなもの誰も読まない。

 

皮肉なことに、人生を手放したつもりの今になって、また、否定しなければならないことが起きました。

残された1ヶ月は、それに注力して、淡々と過ごします。

これ以上、神さまの気まぐれに付き合っては、いられない。

私の精神を守ってくれるのは、自分だけなのだから。

希望を持たせてくれたつもりかもしれないけれど、私はそんなもの、もう望んではいない。

10年、遅かったよ。

 

失った、たくさんの物を思うと、枯れたはずの涙がまた溢れそうなので、そっと蓋をして。

不可逆、なのだから。

もう、戻れないのだから。

 

ロミオとジュリエットのチケットを、取りました。

4月のことなんて、わからないけれど。

嫌いな言葉は、「お席をご用意できませんでした」です。

用意してくれよ、席くらい。

この世に席がないまま生まれてきたのだから、せめて、かりそめの舞台の席くらい、用意してください。

 

言いたいことは、たくさんあります。

でも、うねりには逆らえないだろうから、今は黙っています。

 

長い一年でした。

どうか、あと1ヶ月、これ以上の悲劇がもう起きませんように。